ドイツのスポーツ環境

僕がドイツに残っている理由の一つ、結構大きな理由。
それは日本と違い、一般人がスポーツをする環境がとても整っているということ。
日本で学生を終えた後、しばらく日本で仕事をしていたことがある。
その時は、職場の残業ということもあるが、そもそもアフター5にスポーツができる施設がほとんどないため、スポーツできないストレスが日々沸々と溜まっていった。その時の職場は、週末も仕事でほとんど潰されていたため週末も何もできない日々が続いた。
たしか、4月入社して、10月の半年の間で、週末を入れて休めた日数がたしか3日間だった記憶がある。
学生上がりということもあり、自分の人生がこの調子で過ぎてしまうことに大きな不安を抱きその職場は、半年程度で退職してしまった。若さゆえ自分が思い描いた職場と違うという甘い考えがあったとも思う。
いずれにせよドイツに来て感動することは、スポーツできる環境がたくさんあることだ。
市の施設が、一般人が仕事の後に利用できる時間帯もしっかり開放している。
私が、冬場に利用している室内競技場は週中は夜9時まで開いている。
仕事を終えた後、ゆうに2時間のトレーニングができるのは、大変ありがたい。
この環境ばかりは、日本の学生さんたちよりも恵まれているだろう。
日本には、室内競技場はほとんどお目にかかれないからね。
ドイツは小学校、ギムナジウムなどは、校庭、体育館を持っていないところがほとんどで、生徒たちは、バスで移動して、こういった市の施設に授業を行う。
なのでたまに週中の午前中などに練習にいくと、生徒さんたちがたくさんいる。
そして夕方くらいから、子供達のスポーツクラブの練習が始まる。
もちろん子供たちだけでなく、競技スポーツするおとなのクラブチームもたくさんある。
冬の時期は、デュッセルドルフのみならず、2つ3つ隣町のスポーツクラブも練習にやってくる。午後6時、7時頃は、10以上のスポーツクラブが各々のトレーニングをしており室内競技場はいつも満員御礼だ。
我々の税金がしっかり意味のある使い方がされていると実感する。
こんなこと言うと申し訳ないが、私の日本の出身の街にも立派な競技場がある。屋外ではあるが、当時は陸上競技の国際大会も行われていた。
昼間はそういった学校の利用もないので全く持って閑古鳥が鳴いている。
競技場内には、唯一お掃除のおばさんがいるだけ。
管理事務所には市の職員がいつも2、3人ほどいるが、一生懸命新聞読んで時間が過ぎるのを待っている。そんなに暇なら施設内の掃除でもすればいいのに。と思っていた。
午後4時頃になると近所の一つ二つの高校の部活で利用できるだけ。そして6時にはきっちり閉園する。
そこに一般人の利用者は一切見当たらない。
今では、Jリーグのチームが利用して税金以外の部分で賄っているのだろうけど。当時だけの話をしたら、納税している市民にはあまり役に立っているものではなかった。
そういう見方だとドイツの行政は形だけではなく、目的を持った納税者、市民が活用できる施設運営がなされていると感じる。
室内競技場を利用して感心する中で、50−70歳程度のシニアのエクササイズコースもやっており。なかにはおじいちゃん、おばあちゃんという歳の方々もハツラツと運動を楽しんでいること。本当にこの市の施設が市民に楽しみと生きがいを与えているのだなと感じる。
ちなみにこの質な競技場、一般人は一回利用は3euroとなるが、年間フリーパスは、たしか75euro程度。
僕はアメフトのチームトレーニングもあるので、毎日ではないが、週に3度は利用させてもらっている。仕事でのストレスはなんとか耐えられるけど、トレーニングができない環境のストレスは耐えられない。カステラのCMじゃないけど、練習一番、仕事は2番、アフターファイブは競技場、って歌ってしまいそうだ。こりゃまだまだドイツに居座ることになりそうだ。