ドイツ人家庭って普段何食べてるんだろう?
ドイツに住んでいても、日本人家庭だとドイツ人の普段の食事が想像しづらい部分もあるかと思います。
主食はパン。 ハムとかよく食べてそう。 じゃがいも率が高そう。
だいたい正解・・・というのが答えです。
ただし現在は食の多様化が進んでいます。牛乳やバターなども含め一切動物性の食品を食べない人も多いですし、登録住民の4割が外国人というフランクフルトでは中華、インドからアフガニスタン料理まで、非常に食の選択肢が多いという見方もできます。
今回は、生まれも育ちもフランクフルトのドイツ人が作る夕食を例に、ドイツの一般家庭でよく見られる食卓をご紹介したいと思います。
ただ、圧倒的に野菜が少ないこと、また非常に地味な食卓であることを先にお伝えしておきます・・・
まずは主食から。
パンとバターがあれば、ドイツ人家庭では夕食の準備は済んでしまします。
写真ではわかりづらいのですが、直径20cmほどと結構大きく、中身が詰まっていてずっしり重いです。
このサイズで3ユーロ前後、専用のカッターで食べる分だけ薄切りにし、だいたい1週間ほどで乾燥して食べれなくなってしまいます。
このタイプの大きいパンは「Brot ブロート」と呼ばれ、各家庭でお気に入りのものがあります。
トーストせず、そのまま切ったものにバターを塗って食べます。
パンとバターだけでは寂しいので、トッピングを乗せることもあります。
パンのお伴は、朝はチーズかジャムの家庭が多いようです。冷蔵庫に入れておけば保存もききますし本当にラクチンです。 ドイツでは凝った料理を毎日する文化が日本ほどないようで、わりと簡単に済ませる家庭も多いようです。Abendbrotという言葉(直訳すると「夜パン」)もあるように、火を使った暖かいものを摂らずに食事を済ませる文化も続いています。
ちょっとトピックから離れますが、とあるワインバーで見かけたチーズ切り包丁。
それなりに切れの悪い包丁でしたが、名前は「えいり」。 時々みかけるちょっとした日本語に驚かされます。
もちろんおつまみとしてチーズを食べるときも、ドイツ人はほぼ必ずパンに乗せて食べます。
チーズの種類も日本では見かけないものがたくさんあります。画像左の側面が濃色のものは赤ワインチーズ、右側のものはナッツ入り。ほかにもニンジンチーズやトウガラシチーズなど、常備食として数種類のチーズが冷蔵庫に入っています。 ちょっと小腹が空いたときにパンとチーズを食べているドイツ人を見ると、彼らにとってチーズは日本人にとってのお茶漬けやふりかけ感覚なんだろうなぁと感じます。
チーズ以外にもまだまだトッピングはあります。
こちらは西洋わさびの線切りとスモークベーコン。
サラミ、ハムで見えなくなっているパン。
中央の赤パプリカ入りは塩分もほどよく、子供にも好評です。
我が家は小さいパン(Brodchen)を焼き、家族そろって朝ご飯を食べるのが週末のお決まりです。
ドイツ人のパン好きは筋金入りで、露店でスープや焼きソーセージを買った時も必ずパンがついてきます。
食の細いかたは、「パンなしで」とお願いしないと食事量に圧倒されるかもしれません。
またパンに対するこだわりも強く、販売されている種類も数え切れないほどあるので色々と試して好みを見つけるのも楽しみの一つです。好みを伝えてオススメを聞くのも会話のきっかけになるので良いですね。
続いてパンと並ぶ、主食級の食材。
じゃがいもです。
お昼はフライドポテトを買って済ませることが多いのですが、飽き足らず夕食としても作ったりします。
ドイツではPommes(ポメス)と呼びます。
ほかにも我が家の定番夜ごはんは、クミンシードを入れたお湯で茹でたじゃがいも。これにハーブ類を刻んでクワーク(フレッシュチーズ)と混ぜたソースをかけて食べます。
作ったソースが余ったら、今度は市販のポテトチップスのディップにして食べます。
冬は旬のカリフラワーが度々食卓に上がります。
ソースはホウレンソウ。きのこのソテー。そして・・・パン。
また、風邪のひきはじめや寒い真冬のお昼には、チキンスープを食べる機会が増えます。
スーパーではこんな感じのスープ用の野菜セットが売られています。
ニンジン、根セロリなど野菜と丸鶏を煮込み、身を小さくさいてパスタを投入。
いかがでしたでしょうか?
日本の一般的な家庭とは一味違った食生活がドイツにはあります。
また、毎日の食事準備に割く時間が日本に比べると圧倒的に少ないと感じることも多々あります。
理由はそれぞれ。
仕事後はなるべく簡単に食事を済ませて家族揃ってゆったりとした時間を過ごしたいから。
義務ではなく、時間のあるときやイベント時には手の込んだ料理を作ったり、家族揃って趣味としての料理作りを楽しみたいから。
日本の食生活と比べると、良い面も悪い面もありますが、皆様もときにはドイツ式「Abendbrot」を実践してゆっくり家族でテレビや映画を見ながら過ごしてみてはいかがでしょうか。